盆栽から広がる、空間の可能性

五葉松|石井盆栽・井野雄太さん インタビュー

岩場に根を張り、光や水を求めて枝を伸ばす。今回ご紹介する五葉松の作品には、そんな自然の風景が表現されています。

お話を伺ったのは、石井盆栽の井野雄太さん。木そのものの魅力を引き出すことから始まり、石や砂を組み合わせて一つの世界をつくり上げる。その作品づくりと、盆栽を眺める楽しみについて伺いました。

   - 木の個性から、風景を描く

井野さんが作品づくりで大切にしているのは、まず木が持つ特徴や動きを引き出すことです。

今回の五葉松では、標高の高い山の岩場に根を張り、水や光を求めて枝を伸ばす姿をイメージしたといいます。複雑に広がる根張りや幹の表情は、自然と人の手が重なって生まれたもの。人の手だけではつくり出せない、山の木ならではの魅力があります。

その自然な姿を起点に、どのような景色を表現できるかを考えていく。盆栽単体の形を整えるだけでなく、木が持つ個性から表現を広げていくのです。

   - 石や砂が生み出す、もう一つの世界

今回の作品では、石や砂を組み合わせ、崖や湖を思わせる景色をつくり出しています。

使用した石は、盆栽園の駐車場にあったもの。京都の鞍馬砂も取り入れ、高さや配置を工夫することで、景色に奥行きを生み出しています。

井野さんによれば、盆栽の飾り方にはさまざまな方法があり、掛け軸などを組み合わせることもできるそうです。季節や表現したい世界観に応じて、添えるものを変え、表現を多様化していきます。

木を主役にしながら、周囲のものとの組み合わせによって景色をつくる。そこには、盆栽を一つの作品として完成させるだけでなく、空間全体で表現する面白さがあります。

   - 眺める人それぞれの、楽しみ方

井野さんは、盆栽を育てたり、剪定や針金かけを通じて形をつくったりする楽しさに加え、室内に飾った作品を前に、自分なりの風景を思い描く時間も楽しんでほしいと話します。

そして、その見方に正解はありません。

「100人いたら100通り」の感じ方があっていい。井野さん自身が思い描いた景色とは異なる見方であっても、それぞれの受け取り方が作品の楽しみになるといいます。

盆栽を通じて自然の風景を想像し、自分なりの世界を見つける。その楽しみは、日本人だけに限らず、世界のさまざまな人に開かれています。

盆栽が、空間に物語を生み出す

木の個性を引き出し、石や砂を組み合わせ、見る人の想像力へとつなげていく。井野さんの作品づくりからは、盆栽が一鉢の植物にとどまらず、一つの世界を表現するものだということが伝わってきます。

BONSAI LUXEが目指すのも、盆栽を置くことだけではありません。

木そのものの美しさに加え、そこから広がる風景や、見る人それぞれの感じ方まで。盆栽が空間にもたらす豊かな体験を、より多くの場所へ届けていきます。

盆栽詳細

樹種:五葉松
盆栽職人:井野雄太さん

余白(80px)

申し込みは下記の問い合わせから